福岡の経営コンサルタント|笑顔商店

大阪万博に行って感じたこと!~55年ぶりの祭典は日本の未来をどう変える?~

2025年、大阪の夢洲(ゆめしま)で、実に55年ぶりとなる万国博覧会が開催されています。

前回の1970年大阪万博。リアルタイムで体験したわけではありませんが、あの熱狂を境に日本の高度経済成長が本格的に始まり、未来への希望に満ち溢れていた時代だったと記憶しています。

あれから半世紀以上が経過した今、再び大阪の地で開かれた万博は、これからの日本を、そして私たちの未来をどう変えていくのでしょうか。

そんな期待と少しの懐疑心を胸に、先日、大阪・関西万博の会場へ足を運んできました。

正直、なめてました…。予約の取れない熱気と嬉しい誤算

「あまり人気がないのでは?」そんな事前の噂を耳にしていた私は、正直なところ、あまり期待せずに「いきあたりばったりで楽しめればいいか」くらいの軽い気持ちで会場へ向かいました。完全に万博をなめていたのです。

しかし、その考えはすぐに打ち砕かれました。事前予約を試みるも、人気パビリオンは全く取れず空きがない状態。当日予約でなんとか1件だけ確保できたものの、それ以外は予約なしで入れるパビリオンやブースを巡ることに。

予約なしのパビリオンも、どこもかしこも長蛇の列。結局、それほど多くの施設を回ることはできませんでした。「休憩場所も少ない」と聞いていましたが、これは嬉しい誤算で、思ったよりも休憩スペースは確保されており、休みながら巡ることができたのは救いでした。

期待値が低かったからこそ、というのもあるかもしれませんが、一度会場に足を踏み入れると、そこはまさに知的好奇心のるつぼ。どのパビリオンも脳を刺激し、「未来」について考えるヒントに満ち溢れていました。「もっと計画的に、きちんと予約を取っていれば…」と後悔したのが正直な感想です。

全てをしっかりと見て回るなら、最低でも3日、いや、本気なら1週間は必要だと感じました。もしこれから行かれる方は、ぜひ年間パスポートの購入を検討することをおすすめします。

そもそも2025年大阪・関西万博とは?

ここで、今回の万博の基本情報をおさらいしておきましょう。

・正式名称:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)

・テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン (Designing Future Society for Our Lives)

・開催期間:2025年4月13日(日)~10月13日(月)

・開催場所:大阪・夢洲(ゆめしま)

・コンセプト:People’s Living Lab(未来社会の実験場)

世界158の国・地域と9の国際機関(2025年2月時点)が参加し、AIやロボット技術、カーボンニュートラルといった最先端技術から、世界各国の文化やグルメまで、多様な展示と体験が待っています。

しかしその一方で、開幕前に指摘されていた建設工事の代金未払い問題など、万博が抱える課題について考えることも重要です。

1970年万博との決定的な違いと、今回の万博が目指すもの

55年前の1970年大阪万博は、「人類の進歩と調和」をテーマに、まさに日本の高度経済成長の象徴として開催されました。総来場者数は6,400万人を超え、ワイヤレステレホン(携帯電話の原型)や人間洗濯機といった未来技術が披露され、日本が戦後復興を成し遂げ、世界第2位の経済大国へと駆け上がる姿を世界に示しました。まさに「成長と進歩」を祝う、希望に満ちた祭典だったのです。

では、今回の万博はどうでしょうか。

1970年が右肩上がりの成長期だったのに対し、現代の日本は成熟し、多くの課題を抱える「現状維持・課題解決」の時代にいます。だからこそ、2025年の万博は単なる技術の祭典ではありません。

コンセプトである「People’s Living Lab(未来社会の実験場)」が示すように、世界中の人々がアイデアを交換し、SDGsに代表されるような人類共通の課題解決に向けて、共に未来社会を創り上げていく「協創」の場として位置づけられています。

1970年が「モノの豊かさ」を追求する時代の幕開けだったとすれば、2025年は「いのちの輝き」や「持続可能な社会」を、私たちはどうデザインしていくのか。その壮大な問いに、世界中の知恵を結集して挑むのが今回の万博の意義なのだと感じました。

まとめ:万博後の日本はどう変わる?

会場を訪れ、その熱気と未来へのビジョンに触れた今、こう考えています。

1970年の万博が、その後の日本の産業や生活を大きく変える「ハード」の転換点だったとすれば、2025年の万博は、私たちの価値観や社会のあり方を問い直す「ソフト」の転換点になるのかもしれません。

すぐに何かが劇的に変わるわけではないでしょう。しかし、この万博で提示される数々のアイデアやテクノロジー、そして世界中の人々との交流は、間違いなくこれからの社会を担う世代にとって大きな刺激となり、新しい未来を創造する種となるはずです。

私自身、たった数時間滞在しただけでも、多くの刺激と考えるヒントを得ることができました。

2025年大阪・関西万博は、55年前とは全く異なる文脈で開催されている、新しい時代の祭典です。この「未来社会の実験場」で何を感じ、何を考え、どう行動に移すか。その先に、日本の新しい未来が待っているのかもしれません。

お問い合わせ

お問い合わせはこちら

髙栁 和浩 笑顔商店株式会社 代表取締役