大安よりも大切な「自分だけの運のいい日」
大リーグで活躍を続ける大谷翔平選手。
まさに日本のヒーローであり、野球をする子どもたちにとって、憧れの存在といっても過言ではないだろう。
私も今年、大谷選手がどのような活躍を見せるのか注目していた。
ただし、注目していた理由は、打撃フォームや過去の成績を分析していたからではない。
大谷選手のバイオリズムを見ていたからである。
というのも、今年の大谷選手のバイオリズムは、季節にたとえると「真冬」に当たる。
真冬とは、本来、無理に前へ進むのではなく、休み、整え、次の春に備える時期である。
もちろん、大谷選手ほどの実力があれば、真冬であっても、一般の選手と比べれば十分な結果を残すだろう。
それでも、昨年のような圧倒的な活躍とは、少し違う一年になるのではないか。
私はそのように考えながら、今年の大谷選手を見ていた。
真冬は、次に花を咲かせるための時期
真冬というと、何をしてもうまくいかない悪い時期だと思われるかもしれない。
しかし、そういう意味ではない。
自然界を見ても、冬に無理やり花を咲かせようとはしない。
木々は葉を落とし、一見すると動きを止めたように見える。しかし、何もしていないわけではない。次の春に向けて、静かに力を蓄えている。
春になると、桜は美しい花を咲かせ、多くの人を魅了する。
しかし、桜は春の暖かさだけで咲くわけではない。冬の寒さの中で休み、春に花を咲かせるための準備を進めている。
人も同じではないだろうか。
冬は、無理に外へ向かって成果を出そうとする時期ではない。
自分の内面を整え、必要なことを学び、次に動くための準備をする時期である。
栄養をしっかり摂り、十分に休養し、心と身体に力を蓄える時期でもある。
本来休むべき真冬に、春や夏と同じように動き続ければ、どこかに無理が生じる。
疲労がたまり、判断を誤ることもある。人間関係が乱れたり、体調不良やけがにつながったりすることもある。
一般の人から見れば、大谷選手は真冬であっても、十分な結果を出しているように見える。
しかし、大谷選手に対しては、昨年以上の活躍を期待している人も多い。
昨年ほどの成績を残せていない現状を見て、
「今年はどうしたのだろう」
「もっと活躍できるはずだ」
「少し物足りない」
と感じる人もいるかもしれない。
普通の選手であれば十分に評価される成績であっても、大谷選手の場合、比較される相手は昨年の大谷選手なのである。
おそらく大谷選手は、これまでの行動を見ていると、自分自身のバイオリズムを理解しているのではないかと思う。
それでも、休むべき時期だと分かっていながら、
「もっとやれるはずだ」
「周囲の期待に応えたい」
「ここで休むわけにはいかない」
と思ってしまう。
これは大谷選手に限らず、誰にでも起こり得ることである。
特に、スポーツ選手のように毎年が勝負であり、限られた現役期間の中で結果を求められる人にとって、休むべき真冬は大きな試練になる。
分かっていることと、実際に休めることは別なのである。
責任感が強く、これまで結果を残してきた人ほど、簡単には止まれない。
一定の結果が出ていれば、なおさら「まだ大丈夫だ」「もう少しやれる」と無理を重ねてしまう。
しかし、焦って結果を求めれば、かえって調子を崩すこともある。
無理を続けてけがをすれば、今シーズンだけでなく、来シーズン以降まで棒に振るおそれすらある。
だからこそ、休むべき時期には、いつも以上に慎重にならなければならない。
今回、大谷選手はオールスターに選出されながら、出場を見送った。
多くのファンが出場を楽しみにしていたと思うが、私は英断だったと思う。
目の前の期待に応えることよりも、自分の身体を守り、長く活躍し続けることの方が大切である。
休むことは、逃げることでも、諦めることでもない。
次のシーズン、その先の活躍を守るために必要な選択なのである。
真冬に無理に花を咲かせようとすれば、かえって自分を消耗させてしまう。
しかし、冬の役割を理解し、休み、整え、学び、備えることができれば、次の春に力強く動き出すことができる。
真冬は、何もできない時期ではない。
次に美しい花を咲かせるための、とても大切な時期なのである。
バイオリズムは、前もって備えるためにある
バイオリズムは、ある日突然やってくるものではない。
今年がどのような年になるのか。今月はどのような流れなのか。今日は動くべき日なのか、慎重に過ごした方がよい日なのか。
そうしたことを前もって知ることができる。
だからこそ、真冬に入ってから慌てて休むのではなく、その前から準備しておくことが大切である。
仕事を減らす。
人に任せられる体制をつくる。
大きな勝負を先に終えておく。
お金や時間に余裕を持たせる。
身体を整えておく。
反対に、これから春や夏のような積極的に動く時期が来るのであれば、その時にすぐ動き出せるよう、計画を立て、知識や技術を身につけ、人脈や資金、人材を整えておけばよい。
私たちは、天気や季節については、当たり前のように前もって備えている。
台風が来ると分かれば外出を控え、冬が来ると分かれば暖房や衣類を準備する。
それと同じように、自分自身の季節が分かれば、何を準備し、何を控え、いつ動くべきかを考えることができる。
人にも季節があり、それぞれの時期に適した過ごし方がある。
積極的に動く時期。
計画を立てる時期。
人脈を広げる時期。
投資をする時期。
足元を整える時期。
そして、無理をせず休む時期。
バイオリズムを知る意味は、運の良し悪しに一喜一憂することではない。
自分が今どの季節にいるのかを知り、その時期に合った行動を選ぶことにある。
同じ一年でも、人によって季節は違う
大谷選手にバイオリズムがあるように、私たち一人ひとりにも、それぞれのバイオリズムがある。
ただし、すべての人が同じ年に、同じ季節を迎えるわけではない。
大谷選手と同じ気質を持つ人は、基本的には同じような流れに入る。
一方、異なる気質を持つ人には、それぞれ別の流れがある。
同じ一年を生きていても、ある人にとっては春であり、ある人にとっては夏である。
別の人にとっては秋かもしれないし、真冬かもしれない。
だから、
「今年は積極的に動いた方がよい」
「今年は投資のチャンスだ」
「今年は新しいことを始めるべきだ」
という話が、すべての人に当てはまるわけではない。
ある人にとっては、今年は計画を立てる時期である。
ある人にとっては、積極的に投資する時期である。
新しい人脈を広げる時期の人もいる。
新しい仕事や事業に挑戦する時期の人もいる。
反対に、大きな投資を控えた方がよい人もいる。
無理に動かず、足元を整えた方がよい人もいる。
組織の体制を見直す時期や、人が離れやすい時期もある。
大切なのは、良い年か悪い年かという単純な見方ではない。
今の自分にとって、何をするとうまくいきやすいのか。
反対に、何をすると無理が生じやすいのか。
それを知り、行動を選ぶことである。
真冬だから、何もしてはいけないわけではない。
真冬には、真冬に合った過ごし方がある。
春には春の役割があり、夏には夏の役割がある。
その時期に合った行動を選べば、無理に流れを変えようとしなくても、物事は進みやすくなる。
反対に、自分の季節を無視して動けば、努力しているのに、なぜか結果につながらないということも起きる。
だからこそ、まずは今の自分がどの季節にいるのかを知ることが大切なのである。
年だけでなく、月にも日にも流れがある
さらに、バイオリズムは年単位だけではない。
月にもあり、日にもある。
つまり、毎日が同じ日ではない。
今日は、人に会うことに向いている日かもしれない。
今日は、大切な決断をする日かもしれない。
今日は、新しいことを始める日かもしれない。
反対に、今日は無理に動かず、様子を見た方がよい日かもしれない。
準備や整理、休養に使った方がよい日もある。
しかも、同じ日であっても、すべての人にとって同じ意味を持つわけではない。
ある人にとっては積極的に動くべき日でも、別の人にとっては動かない方がよい日かもしれない。
ある人にとっては大きな決断に向く日でも、別の人にとっては慎重に判断した方がよい日かもしれない。
毎日を同じ日として過ごすのではなく、その日の自分に合った行動を選ぶ。
それが、バイオリズムを実生活に活かすということだと思う。
「ぼーっと生きるな」という言葉がある。
これは、毎日ただ忙しく動き続けなさいという意味ではないのではないか。
今日は動くべき日なのか。
今日は待つべき日なのか。
今は前へ出る時なのか。
それとも、立ち止まって整える時なのか。
自分の流れを知り、その時に合った行動を選ぶ。
それが、本当の意味で、ぼーっと生きないということなのだと思う。
大安よりも、自分の運気がよい日
大安や一粒万倍日など、多くの人に共通する吉日がある。
何かを始める日や、契約、結婚などの日取りを決める際に、こうした日を気にする人は多い。
もちろん、それらを否定するつもりはない。
ただ、私は、みんなに共通する吉日以上に、自分自身の運気がよい日を知ることが大切ではないかと思っている。
多くの人にとって良いとされる日ではなく、自分にとって特に運気が強い日。
いわば、自分だけに追い風が吹く日である。
その日が分かれば、何をするのかを前もって考えることができる。
会いたい人に会う。
大切な提案をする。
新しいことを始める。
今後の目標を決める。
神社やお寺に参拝し、自分の願いや覚悟を確認する。
ただ「今日は運がいい日だ」と喜ぶだけでは、あまり意味がない。
その運気を何に使うのか。
何を願い、どのような一歩を踏み出すのか。
そこまで考えて行動して、初めて運気を活かしたことになる。
自分専用のカレンダーを持つ
だから私は、バイオリズムをカレンダーに書き込んでおけばよいと思っている。
普通のカレンダーには、仕事や会議、旅行、約束などを書く。
そこに、自分のバイオリズムも加える。
今日は動く日。
今日は人に会う日。
今日は決断する日。
今日は準備をする日。
今日は無理をしない日。
今日は自分の運気が最も強い日。
そうした流れをあらかじめ書いておけば、その日の気分だけで行動を決めなくて済む。
調子がよいから動く。
不安だからやめる。
忙しいから後回しにする。
そのように感情に流されるのではなく、自分の流れを踏まえて予定を組むことができる。
これは、人生だけでなく、経営にも活かせる。
投資をする時期。
新規事業を始める時期。
人を採用する時期。
人脈を広げる時期。
既存事業を整理する時期。
代表者が前に出る時期。
社員や幹部に任せる時期。
また、人が辞めやすい時期が分かるのであれば、その前から本人との対話を増やすこともできる。
業務を引き継げるようにしておく。
特定の人に仕事を集中させない。
必要に応じて採用の準備を始める。
未来を完全に決めることはできなくても、起こりやすい流れが分かれば、事前に備えることはできる。
バイオリズムは、自分の時間の地図
バイオリズムは、未来を当てるためだけのものではない。
運がよい、悪いと一喜一憂するためのものでもない。
いつ動くのか。
いつ待つのか。
いつ投資するのか。
いつ休むのか。
いつ人に会い、何を願い、何を始めるのか。
それを考えるための、自分専用の時間の地図である。
大安や一粒万倍日もよい。
しかし、それ以上に、自分だけの運気がよい日を知ること。
そして、その日をただ待つのではなく、何をするのかまで決めておくこと。
そうすれば、人生も仕事も、今より少し流れに乗りやすくなるのではないかと思う。
毎日を同じ日として過ごすのではなく、その日の意味を知り、その時に合った一歩を選ぶ。
それが、バイオリズムを実践的に活かすということなのだと思う。
今日を最高に生きるということは、ただ一生懸命に生きることではないのかもしれない。
自分の運気を知り、今が動く時なのか、整える時なのか、休む時なのかを見極める。
そして、その流れに逆らうのではなく、流れに乗りながら懸命に生きる。
それが、今日という一日を最高に生きるということなのではないだろうか。
