補助金の事業計画書はなぜ難しくなっているのか? その背景にあるAIの存在

おはようございます。

笑顔商店の高柳です。

最近、補助金の事業計画書を作成していて、ある変化を強く感じています。

それは、事業計画書で問われる内容が、年々難しくなっていることです。

私は長年、補助金の申請支援に携わってきました。

それでも最近は、事業計画の作成項目を見ながら、「えっ、ここまで聞くの?」と思うことが少なくありません。

市場の成長性、競合他社との差別化、新規事業の実現可能性。

さらに、売上予測の根拠、投資効果、収益計画との整合性など、専門的な分析と数字による裏付けが求められます。

もちろん、こうした分析は経営上も重要です。しかし、日々の経営に追われる事業者が、専門知識なしに一から取り組むには、相当に高いハードルではないでしょうか。

一方、補助金事務局は、事業計画書の作成を専門家に任せることを必ずしも望んでいません。

例えば、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、専門家の助言を受けることは認められていますが、事業計画は申請者自身が作成することが求められています。

専門家への丸投げではなく、経営者自身が考え、責任を持って事業計画を策定することを重視しているのです。

では、これほど高度な内容を、経営者自身がどうやって作成すればよいのでしょうか。

ここで私が注目しているのが、AIの存在です。

今やAIは、情報収集や文章作成だけでなく、競合分析、経営課題の整理、数値計画の検証などにも活用できます。

かつては専門家の支援が必要だった作業の一部を、経営者自身がAIと対話しながら進められる時代になりました。

ひょっとすると、事業計画書に求められる水準が高くなっている背景には、こうしたAIの普及も関係しているのではないか。

私はそう感じています。

もちろん、これは制度側の意図を確認したものではなく、現場から見た一つの仮説です。

しかも、AIを活用する動きは審査する側にも広がっています。

中小企業庁は2024年、事業再構築補助金について、採択審査でAIによる計画書の類似性確認を強化し、交付審査や実績審査にもAIを導入する方針を公表しました。

実際の採点にAIがどの程度活用されているかまではわかりません。

しかし、審査の高度化が進んでいることは確かです。

そうなると、単に文章が上手なだけでは通用しにくくなるのではないでしょうか。

AIは、もっともらしい事業計画書を作れます。

しかし、市場が成長しているからといって、自社の商品が売れるとは限りません。

売上が増えるという計画も、その根拠となる顧客数や販売体制が不十分なら、実現性は疑わしくなります。

だからこそ、AIの使い方が重要になります。

例えば、経営者が「新しい設備を導入して生産性を上げたい」と考えているとします。

しかし、どの作業をどれだけ減らし、空いた時間を何に使い、最終的に売上や利益をどう高めるのか、頭の中ではまだぼんやりしているかもしれません。

そこをAIとの対話で、一つずつ整理していく。曖昧だった構想を言語化し、具体化し、数字で確かめる。

自分だけでは気づかなかった課題や矛盾を発見することもできるでしょう。

これは、AIに経営を任せることとは全く違います。

どんなに立派な事業計画書が完成しても、実際に投資し、人を動かし、顧客を獲得し、事業を実行するのは経営者自身です。

AIは責任を取ってくれません。

大切なのは、AIが考えた事業を実行することではなく、経営者が思い描く事業をAIの力で磨き上げることです。

私は、AIの普及によって事業計画書の作成が単に楽になるのではなく、経営者が自社の未来をより深く考える機会になることを期待しています。

AIに事業計画書を作らせるのではない。

AIとともに、自分の事業構想をより具体的で実現可能な計画へと進化させていく。

これが、これからの補助金の事業計画策定に求められる姿ではないでしょうか。

今回はここまでとします。

最後までお読みいただき有難うございます。

笑顔商店

高柳和浩

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