おはようございます。 高柳です。

先日、「令和7年度補正予算案」が公表されました。

経済産業省の予算案合計は、なんと2.7兆円。 

そのうち、中小企業・中堅事業者向け支援には1兆1,300億円が計上されています。

中身を詳しく見ていくと、これまでの「定番」の補助金制度に大きな地殻変動が起きようとしています。

今回は、予算案から読み解く「来年の変化」と、それを踏まえて「年内に打つべき手」について解説します。

予算案の全体像と「生産性革命推進事業」の行方

中小企業の設備投資や販路開拓を支援する最も馴染み深い「中小企業生産性革命推進事業」 

これには今回、3,400億円の予算案が計上されました。

総額だけを見れば「昨年並み」です。 しかし、その「内訳」と「名称」に大きな変化が見られます。

 ここが変わる！主要補助金の変更ポイント

今回の発表で判明した主な変更点（見込み）は以下の通りです。

▼ 【拡充】中小企業成長加速化補助金

売上高100億円を目指すような、成長志向の強い中堅・中小企業への支援が拡充されます。より規模の大きな成長戦略を描く企業には追い風となります。

▼ 【新設・改組】IT導入補助金 ⇒ 「デジタル化・AI導入補助金」へ

従来の「IT導入補助金」という名前が変わり、「AI」という言葉が明記されました。単なるソフトの導入だけでなく、AIを活用した業務効率化や省人化が、採択の大きな鍵を握ることになりそうです。

▼ 【見直し】省力化投資補助金

従業員規模ごとに補助金の上限額が見直される予定です。自社の規模に合わせた最適な投資計画の練り直しが必要になるかもしれません。

▼ 【現状維持】小規模事業者持続化補助金・事業承継引継ぎ補助金

 こちらは大きな変化はなく、引き続き販路開拓やM&A・事業承継の頼れる味方となりそうです。

最大の懸念：「ものづくり補助金」は基金化で枯渇終了へ？

今回、最も注意すべきなのが、設備投資の定番であった「ものづくり補助金」や「新事業進出」の名前が予算案の主要項目に見当たらない点です。

これらは今後、「革新的製品開発」や「新事業進出支援」に関連する既存基金を活用した1,200億円規模の新たな補助金として再編される見込みです。

ここに最大の「落とし穴」があります。

従来の「年度予算」ではなく、過去に積まれた「基金（貯蓄）」を取り崩して使う形になるため、この基金を使い切った時点で、制度自体が完全終了となる可能性が極めて高いと見ています。

つまり、来年以降の新制度は、「回を追うごとに狭き門になる」というサバイバルな状況になるリスクがあるのです。

 【結論】設備投資・新事業狙いなら「現行制度」が確実

もし貴社の計画が「設備投資（ものづくり）」や「新事業（再構築）」であるならば、「新しい制度の詳細が出てから」と様子見をするのはリスクが高いと言わざるを得ません。

様子見をしている間に競争が激化し、採択率が下がってしまう……というシナリオが十分に考えられるからです。

「来年やろう」と思っていた投資計画があるなら、前倒しを強くおすすめします。

新事業進出（事業再構築）関連

12月19日（木）締切

ものづくり補助金

1月末 締切

省力化投資補助金（一般型）

2月下旬 締切

最後に

「考えていた設備投資、今の制度で間に合わせた方がいいの？」 「来年の新制度を待った方が得なの？」少しでも迷われた際は、すぐにご連絡ください。

 せっかくの投資計画が「制度の狭間」で損をしてしまわないよう、貴社の状況に合わせた最適なタイミングをアドバイスさせていただきます。

今回はここまでとします。

笑顔商店　高柳