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「親睦を深める」から「親睦を高める」へ。忘年会を単なる飲み会で終わらせず、人生の投資に変える思考法

街がイルミネーションに彩られ、手帳のスケジュール欄が「忘年会」の文字で埋まり始める季節がやってきました。

「一年の労をねぎらう」「職場のコミュニケーションを円滑にする」。 誰もが知っている忘年会の目的ですが、今年は少し立ち止まって、その本質について考えてみたいと思います。

あなたは今、心の底から「参加してよかった」と思える忘年会に参加予定ですか? そして、あなたには「お互いを高め合える仲間」がいますか?今回は、ある方との対話から得た「親睦」に対する新しい定義と、そこから広がる理想的なコミュニティのあり方について、深く掘り下げて綴ります。

第1章:私たちは何のために集うのか?現代の忘年会事情

まずは、一般的な忘年会の目的を整理してみましょう。多くの企業や組織において、忘年会は以下のような役割を担ってきました。

❶ 親睦を深める・交流の促進 普段は業務連絡しかしない同僚や、接点の少ない他部署の人と、リラックスした雰囲気で会話をする。これにより職場の一体感を醸成し、チームワークを向上させる狙いがあります。

❷ 一年の労をねぎらう 「今年もお疲れ様でした」と乾杯し、苦労や頑張りをお互いに認め合う承認の場です。

❸ 一年の締めくくりと新年への切り替え 未達成の課題や成功体験を共有し、気持ちをリセットして新しい年を迎える準備をします。

❹ ストレス解消・リフレッシュ 日頃のプレッシャーから解放され、楽しい時間を共有することで心身を癒やします。

これらは決して間違っていませんし、組織運営において必要な潤滑油であることは間違いありません。しかし近年、忘年会のあり方は変化しています。参加を強制しない企業が増え、オンライン開催などの多様な形式も生まれました。形式的な「飲みニケーション」が敬遠される一方で、人々はより本質的な「つながり」を求め始めているように感じます。

そんな中、私はハッとするような言葉に出会いました。

「親睦を深めるとは、単に交流を深めるのではなく、お互いを高めあうことではないか」

この視点は、これまでの「仲良くなること」をゴールとしていた私たちの人間関係観を、根底から覆す可能性を秘めています。

第2章:「深める」と「高める」の決定的な違い

日本語の持つニュアンスは繊細で美しいものです。「親睦」という言葉に対して、私たちは無意識に「深める」という動詞をセットで使いがちです。しかし、ここに「高める」という動詞を当てはめたとき、そこにはまったく新しい景色が広がります。

「親睦を深める」= 水平方向への拡大 

関係性の深度を増すこと。心理的な距離を縮め、プライベートな話題も話せるような間柄になること。これは安心感や居心地の良さにつながります。

「親睦を高める」= 垂直方向への上昇 

関係性の「質」や「次元」を引き上げること。単に仲が良いだけでなく、互いに良い影響を与え合い、成長を促進させる関係性。ここには、上方向へのベクトルが存在します。

もし、あなたの参加する忘年会が、毎年同じ店で、同じメンバーと、同じような愚痴や表面的な話題で終始しているのであれば、それは「深まって」いるかもしれませんが、「高まって」はいないのかもしれません。

「人間としての向上が期待できない、マンネリ化した忘年会には参加したくない」

そう感じるのは、あなたが無意識のうちに、時間を浪費するだけの関係ではなく、自分の人生を前に進めてくれる「高め合う関係」を渇望しているからではないでしょうか。

第3章:理想的な「高め合う」関係性とは

では、具体的に「お互いを高め合う」とはどういうことでしょうか。それは、傷の舐め合いや、現状維持のための慰め合いとは対極にあります。

❶ 相互成長(Mutual Growth)

単に楽しく過ごすだけでなく、相手の長所や思考プロセスから学びを得る関係です。「あの人のあの考え方はすごい」「自分ももっと頑張ろう」という健全な刺激、切磋琢磨がそこにあります。

❷ 建設的なコミュニケーション

「部長がムカつく」「給料が安い」といった消費的な会話ではなく、「来年はこんなことに挑戦したい」「今の社会の動きをどう見るか」といった未来志向の対話です。互いのアイデアに対してフィードバックを与え合い、一人では到達できない答えにたどり着くプロセスでもあります。

❸ 集合知の創造

個々人が高まることで、その集団全体のレベルが上がります。1+1が2ではなく、3にも5にもなるような「化学反応」が起きる場。それが真に親睦が高まった状態と言えるでしょう。

第4章:志と夢を語る場が生み出す「ワクワク感」

「そこから何かが生まれる。或いは何かのヒントになる。そんな建設的な話ができたら楽しいですね」

対話の中で出てきたこの言葉こそ、私たちが本来求めている集まりの姿です。 人間的な向上、未知の知識への知的好奇心、そして未来へのワクワク感。これらを共有したとき、私たちの脳内ではドーパミンが分泌され、強烈な幸福感と意欲が湧き上がります。

信頼関係が生まれるメカニズム

興味深いことに、こうした「高め合う場」を共有することは、最強の信頼関係構築ツールでもあります。

❶ 価値観の共有(理解):相手が何を大切にし、どこを目指しているのかという「志」を知ることで、表面的な付き合いを超えた深い理解が生まれます。

❷ 一貫性の確認(予測可能性):定期的に顔を合わせ、夢や目標の進捗を語り合うことで、「この人は口だけではない」「信頼できる」という確信が育まれます。

❸ 相互支援(安心感):お互いの挑戦を応援し、時には失敗を許容し合うことで、心理的安全性が確保された「帰属意識」が芽生えます。何度も顔を合わせ、建設的な議論を重ねることで、「自然と信頼関係ができる」。これこそが、真のチームビルディングではないでしょうか。

第5章:歴史を変えるのはいつも「少数の熱狂」から

「でも、そんな意識の高い忘年会、今の職場や友人関係では無理だ」 そう諦める必要はありません。むしろ、最初は少人数であるほうが好都合なのです。

歴史を振り返ってみてください。明治維新のような大きな社会変革も、最初は名もなき若者たちが数名で集まり、熱く志を語り合った小さな私塾や酒席から始まっています。

少数(5〜8名)からスタートする強み

・深い対話が可能:全員が発言でき、互いの話を深く掘り下げることができます。

・機動力と意思決定:日程調整もしやすく、思いつきで新しい試みを実践できます。

・濃密な価値観の共有:少人数だからこそ、コアとなる熱量を維持したまま結束できます。

大規模なパーティーで名刺を配り歩くよりも、志を共にする5人と膝を突き合わせて夢を語るほうが、あなたの人生にとって遥かに大きなリターンをもたらします。

第6章:理想のコミュニティを創るための具体的なアクション

もしあなたが、既存のマンネリ化した忘年会に満足できず、真に「親睦を高める」場を求めているなら、あなた自身がその「触媒」となり、場を創り出すことを提案します。

【Step 1】 場の設定を工夫する

まずは今年の忘年会、あるいは新年会で、少し趣向を変えてみませんか?

・テーマを設ける:「今年の最大の学び」「来年絶対に成し遂げたいこと」など、ポジティブで未来志向なテーマを一つ設定し、一人ひとりが語る時間を設けます。

・席の配置:上座・下座を気にしすぎる長テーブルではなく、全員の顔が見える円卓や、少人数のグループ分けを意識します。

【Step 2】 仲間を引き寄せる「磁場」を作る

無理に勧誘する必要はありません。「私はこういうことを考えている」「こんな未来を作りたい」と発信し続けること。そして、実際に少人数でも楽しそうに活動していること。 そのポジティブなオーラは、必ず似たような価値観を持つ人を引き寄せます。 「なんだかあの人たち、面白そうなことを話しているな」 そう思わせたら勝ちです。

【Step 3】 多様性を受け入れる

核となる価値観(方向性)は一致させつつ、バックグラウンド(職業、年齢、経験)は多様であるほうが、対話は豊かになります。 異業種の知見が、あなたの業界の常識を打ち破るヒントになるかもしれません。お互いの違いを「間違い」ではなく「新しい視点」として面白がれるメンバーを集めましょう。

結び:次なる一歩へ

「親睦を深める」ことは、現状の肯定です。 「親睦を高める」ことは、未来への投資です。

もうすぐ忘年会シーズン。 惰性で参加するだけの飲み会に時間を費やすのか。 それとも、お互いの可能性を引き出し合い、ワクワクするような未来を共創する場にするのか。

それは、私たちの「集まり方」に対する意識一つで変えられます。

まずは、あなたの周りにいる「この人と話すと元気が出る」「新しい視点がもらえる」と感じる人を誘って、小さな食事会を開いてみてはいかがでしょうか。 そこで語られるのは、上司の愚痴ではなく、お互いの「夢」や「志」。 そんな時間が、来年のあなたの飛躍のきっかけになることを確信しています。

さあ、お互いを高め合う、最高の忘年会を始めましょう。

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髙栁 和浩 笑顔商店株式会社 代表取締役